ホープダイヤ 最終章

ホープ家から離れたダイヤモンド。その後は・・・

旧トルコ皇帝のサルタン・アブドゥル・ハミド２世がダイヤを手にします。
当時のオスマン帝国は崩壊寸前で、しかも彼は半狂乱状態だった為、
「ダイヤに呪われた王」とか呼ばれていたそうです。この後、宝石商の
間で取引されます。
ロンドンの宝石商アドルフ・ウィルが購入、さらにアメリカのダイヤモンド商
サイモン・フランケルに売却します。
また、サイモン・フランケルはダイヤをパリのソロモン・ハビブに売却しました。
ソロモン・ハビブは債務弁済のためホープダイヤモンドをオークションに出します。
これを、パリの宝石商ローズナウが落札しました。
また、フランス人の宝石ブローカーが購入するが発狂した挙句に
自殺したとも言われています。
このようにいくつかの宝石商のもとを転々としていきます。

そして、ついに王の宝石商と呼ばれていたカルティエがホープダイヤを手にいれます。
カルティエは、宝石を装飾し直してアメリカの社交界の名士、新聞王の
エヴェリン・ウォルシュ・マクリーンに売却します。
ホープダイヤを購入後、マクリーンの長男が交通事故死してしまいます。
さらに夫の浮気が原因で、評判だった夫婦仲に亀裂が走り、
娘までも睡眠薬の飲み過ぎで変死してしまいました。
さらに、その数ヶ月後には、マクリーン夫人も肺炎で病死してしまいます。
このように、ホープダイヤを手に入れた人々が次々と不幸に見舞われたことで
呪いの伝説が拡大してゆきました。

あの有名なマリリン・モンローも、主演映画の中で、本物のホープダイヤを
身につけています。ホープダイヤの呪いかはわかりませんが、
その後、マリリン・モンローも変死してます。いまだに死の原因ははっきり
していません。

しかし、この伝説に終止符を打つ人物が現れます。
マクリーンの死後、相続人に、自分の孫の将来を考えて
今後20年間売却しないよう遺言しましたが、相続人はマクリーンの
債務の弁済にあてるためダイヤを売却する許可を得ました。

それを購入したのが、宝石商ハリーウィンストンです。
彼は呪いの伝説を全く信用せずに、ホープダイヤを購入しました。
よく呪いの伝説をジョークにしていたとも言われています。
アメリカ国内での巡回展や、各種チャリティーパーティーで
ホープダイヤを展示したりしましたが、売却することはしませんでした。
約１０年所有した後、スミソニアン博物館に寄贈しました。
現在もこの博物館で、展示されています。

ハリーウインストンが所有した１０年間には、ホープダイヤの呪いは、
全くありませんでした。むしろハリーウインストンは事業でも大成功します。
今では、皆さんがご存知のとおり、ダイヤモンドと言えばハリーウインストン
と呼ばれるほどのブランドになっており、世界中のセレブ御用達のブランドに
成長しています。このことから、ハリーウインストンは宝石商として、
ホープダイヤに認められたとも語られています。

現在ホープダイヤは、ようやく安住の地を得て、落ち着いています。
スミソニアン博物館にとってもたくさんの来場者を呼ぶことになり、
不幸どころか、幸運の宝石と呼べるのではないでしょうか。
数々の伝説を持つホープダイヤですが、持つ人のこころしだいで
不幸にも、幸福にもなるのかもしれません。

コメント 28

その名の通りのホープになって、めでたしめでたしでしたね。
by ベアトラック (2006-10-21 11:19) 

幸せの分だけ　長い間の厄払いが、必要だったんですね。
全ての試練は、幸福に達するまでの道程なのかも知れません。
by umiko (2006-10-21 11:42) 

宝石自身が、本当の価値の分かる人間を所有者として選んでいるのかも知れません。
by マイケル (2006-10-21 12:11) 

こんにちは。清い心が幸せを呼ぶのでしょうねぇ。
って事は、私は・・・＾＾；
by kaoru (2006-10-21 13:38) 

ホ-プダイヤの伝説。
聞いたことはあるけど、すっかり忘れていました・・・。
マイケルさんのおっしゃるとおりかもしれませんね？
宝石自身が、所有者を探していたのかも。
ハリーウインストン。
一度は訪れてみたいけど・・・・
庶民でも入れるのでしょうか・・・？予約制ですよね・・確か・・・・。
by ユキ (2006-10-21 13:51) 

一度ホープダイヤ見てみたくなりました。
持つ人の心しだいで幸福になる・・・
日常生活にも言える事ですね。
by 虹々弓 (2006-10-21 14:31) 

ダイヤのパワーはすごいですね。
やはり心が大切なのですね。
by megumi (2006-10-21 15:04) 

持つ人の心ですね。。。。
まあ私はそんな高価なものを持つ程の
人ではないから　高望みはしないで
自分にあったものを見につけるようにします。
by happyday39 (2006-10-21 15:11) 

ホープダイヤは落ち着くべき場所に落ち着いたんだ。
もつ人の心を映しているんでしょうか。宝石の魔力でしょうか。
スミソニアン博物館で見れるのでしょうが、見たい気持ちと見たくない気持ちが半々。。。のろいが怖い～
by (2006-10-21 15:50) 

こんにちは・・・
呪われたダイヤ・・・安住の地を得て・・わたしも安心しました・・。
いみじくも、shop-u3さんが最後に語っておられるように・・邪心を持たず、素直にその宝石を慈しむ心が重要なのだと思います。
by あら!みてたのね (2006-10-21 16:48) 

たった一つに石にそんなにも色々な人の運命がかかわっていたのですね。
勉強になりました。＾＾
最後には、落ち着くべきところに落ち着いてよかったです。
by (2006-10-21 17:26) 

へー。
今回も勉強になります。
by ゆつき (2006-10-21 18:00) 

最後は呪いが説けて、博物館行きでしたか。
面白く読ませて頂きました。
by みね (2006-10-21 19:28) 

最後は博物館入りですか、ま、その後、呪いがないというのは良かったです。
by (2006-10-21 20:03) 

こんなに長いお話だとは思いませんでしたが、とても面白かったです。
by モコ (2006-10-21 20:57) 

落ち着き先が安住の地というわけですね！ハラハラしましたが最後はハッピーエンドで良かった。
by お宝隆 (2006-10-21 21:12) 

深いお話だったのですね。持つ人の心次第で不幸にも幸福にもなる。
何事にもあてはまる・・・。
by (2006-10-22 01:09) 

やっぱり人間の欲が絡んでくるとダメなのでしょうか？
怖かったです。
最終的にはめでたしめでたし…。(^_^;)
by えのみ (2006-10-22 02:03) 

持つ人の心ですか-。
勉強になりました＾０＾
by よすけ (2006-10-22 07:39) 

最終章、楽しみにしてました＾＾
自分、この話は大まかな流れは知ってたのですが
ここまで詳しく読んだのは初めてでした。

しかし、心の持ち様次第で不幸を招いたり、
逆に幸運を招いたりするものなんですねー。

ただ単に面白い逸話と言うだけでなく、
なにやら教訓の様なものも感じました＾＾
by しめらみ (2006-10-22 10:14) 

自分だけのものにしようとだめなんでしょうか。
ダイヤは大勢に見てもらいたいと思っているのかもしれませんね。
by りる (2006-10-22 12:26) 

ふむ～持つ人の心で良くも悪くも、、、、σ(´Д｀；)
神秘的で触れるのがちょっと怖いかもですね～（汗
by pokkotun (2006-10-22 13:33) 

12位か・・・
by あかまる (2006-10-22 13:35) 

気持ち次第・・・・何事にも言えることですね・・・
by みい (2006-10-22 19:57) 

面白かったです～ｗ　
どちらにも転ぶところが、神がかっていて　すばらしいですよね♪
by chi-ran (2006-10-22 20:30) 

最後に安住の場所を得たダイヤ。
宝石にはやはり幸せな結末の方が似合いますね。
by あんこ (2006-10-25 08:39) 

呪いのダイヤを持った人々の末路は、U3さんの最後の言葉に凝縮されているのかもしれませんね。
変死などの死に見舞われたりする人もいれば、事業でも成功し呪いの伝説を覆すような人もいるのですから。
私のつけるようなダイヤには、不幸話より平和な話が似合いますが（伝説になるほど大きくもなく、人々の争いの種にはなり得ないという意味です）大きいダイヤには呪いのようなどこか摩訶不思議で神秘的な逸話が似合っているのかもしれませんね。
by 夏月 (2006-10-28 20:12) 

しかし当のアメリカもその後双子の赤字を抱えて国力は衰える一方ですからあながち呪いは当たっているかもしれません。
by ぽ (2006-11-10 19:30)